赤ずきんは狼と恋に落ちる
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寒い寒い冬の夕方。
少し早めの時間に、私は一人、冷たいシャワーを浴びていた。
浴槽からゆらりゆらりと動く湯気を、ぼんやり見つめながら、濡れた肌をぎゅうっと抱きすくめる。
こんなことになるとは、全く思ってもいなかった。
肩に張り付いた濡れた髪。
ポタポタと零れる滴がひどく冷たく感じる。
まともに目の前に居座っている鏡を見ることが出来ない。
いつもより泡立てて、念入りに身体を洗った。
髪も同じように洗ったし、あとはドライヤーをかけるだけ。
お風呂場から出たら、……考えるのはよそう。
新しいボディーソープやシャンプーを買えば良かった、とか
こうなる前にダイエットでもすれば良かった、などなど、「しておけば良かった」と後悔することばかりだ。
まさに、「後悔先に立たず」。
一つ大きく息を吐き、湯舟に1分間浸かる。
曇った鏡を手で擦り、自分の顔だけを見る。
もう、ごちゃごちゃ考えたって仕方がない。
それに、今日は私の人生でとても素敵な日だ。
自分に言い聞かせるように、うんうんと頷きながら鏡を見る。
そして、ドアを開けて、私のこもり部屋から出た。