はじまりの日
しかも、どうせなら親元離れて思い切り羽を伸ばしたいとかぬかして北海道の大学なんか選びやがって。


俺ん家と徹の家は比較的近く、中学校は同学区内だったし、その後高校も同じとこに入ったので、将来の進路についてお互い良く相談しあっていたのだ。


「まぁ、一人暮らしだからって自由に使える時間ってのはなかなか無いんだけどな。当然、身の回りの事は自分でやらなくちゃいけないし、仕送りも必要最低限度額しかもらってないからバリバリバイトする羽目にもなったし」


「そんなん、行く前にだいたい予想がついただろ?」


俺は呆れながら物申した。


「でもまぁ、あと2年だから何とか頑張るけどさ。それに、何だかんだ言ってこの生活も慣れれば結構楽しいし、絶対、今後の人生に活きて来るハズだから」


「そうだよ。特別やりたい仕事が決まってないんだったら、やっぱり大学は出といた方が良いと思うぜ。高卒と大卒じゃ色々待遇が変わって来るし」
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