はじまりの日
休みの日や午後からの勤務の日は、少し遅くまで寝ている事が許されていた。
徐々に活気を帯びてくる街の気配を窓越しに感じつつ、ベッドの中でまどろむその時間は、何ともいえず贅沢な至福の時であった。
ふいに意識が覚醒したかと思えば再び深く沈み込み、そんなリズムに心地良く身を任せているうちにセットしておいた目覚まし時計が鳴り響き、現実世界に戻る覚悟が決まる訳だけど、その日はその大切なプロセスを、容赦なく途中でぶった切られた。
荒々しく階段をかけ上がり、次いでノックもせずにドアを開け、部屋に飛び込んで来たお袋に、いきなり掛け布団を剥ぎ取られたからだ。
「ちょっ…」
俺は慌てて起き上がり、焦りと怒りを口調ににじませ抗議した。
「何だよ~!まだあと一時間は寝ていられるだ…ろ…」
しかし、お袋の顔を見た瞬間、思わず絶句する。
そんな乱暴な行為とは相反する、今にも倒れそうなほど、尋常じゃなく青白く、強ばった顔をしていたから。
「気持ちを落ち着けて、よく、聞きなさい」
『いや、そりゃこっちのセリフだよ』と思わず突っ込みそうになったその時、お袋は声を震わせながら衝撃の告白をした。
「今、職場から連絡があって、雪さんが事故に遭ったって……」
徐々に活気を帯びてくる街の気配を窓越しに感じつつ、ベッドの中でまどろむその時間は、何ともいえず贅沢な至福の時であった。
ふいに意識が覚醒したかと思えば再び深く沈み込み、そんなリズムに心地良く身を任せているうちにセットしておいた目覚まし時計が鳴り響き、現実世界に戻る覚悟が決まる訳だけど、その日はその大切なプロセスを、容赦なく途中でぶった切られた。
荒々しく階段をかけ上がり、次いでノックもせずにドアを開け、部屋に飛び込んで来たお袋に、いきなり掛け布団を剥ぎ取られたからだ。
「ちょっ…」
俺は慌てて起き上がり、焦りと怒りを口調ににじませ抗議した。
「何だよ~!まだあと一時間は寝ていられるだ…ろ…」
しかし、お袋の顔を見た瞬間、思わず絶句する。
そんな乱暴な行為とは相反する、今にも倒れそうなほど、尋常じゃなく青白く、強ばった顔をしていたから。
「気持ちを落ち着けて、よく、聞きなさい」
『いや、そりゃこっちのセリフだよ』と思わず突っ込みそうになったその時、お袋は声を震わせながら衝撃の告白をした。
「今、職場から連絡があって、雪さんが事故に遭ったって……」