はじまりの日
めでたく合格し、後にバイト先だったその局で勤務する事となった。


公務員の採用試験は年齢さえ当てはまっていれば、学歴なんて関係なく誰にでも受験する権利がある。


とても平等で公平なシステムなのだ。


その代わり、年上のライバル達と対等に戦わなくてはいけない訳だけど、ダメで元々という気持ちで試験に臨めたし、それが結果、良い方向に転がった。


進学しない事に対して、親父は最初かなりの難色を示していたが、いざ試験に受かったら「国家公務員になれるんなら一生安泰だし、別に無理して大学に行く必要はないわな。4年後にそれより良いとこに就職できる保証なんかないし、早く独立してくれた方がこっちも楽だ」と手のひらを返したように歓迎ムードになった。


元々俺の進路に賛成していてくれたお袋も、親父の隣でニコニコ笑いながら、改めて祝福の言葉をかけてくれた。


ひとまずこれでやっと、彼女と肩を並べることができる。
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