はじまりの日
土曜日で、共働きのお兄さん夫婦とその子ども達(確か5歳と7歳)も在宅していた。


当然、お父さんお母さんからいきさつは説明されているハズだが、やはり改めて俺から挨拶するべきだろうか。


そうは思ったが、しかし、中々言葉が見つからない。


遊び納めのつもりなのか、盛大にはしゃぎながら庭を駆け回るさっちゃんと姉妹を横目に見ながら、リビングのソファーで、複雑な表情を浮かべるお兄さん夫婦としばし無言で向き合う。


相手も俺同様、何をどう言うべきか迷っていたのだろう。


結局、ただ一言「幸をよろしくお願いします……」と言いつつお兄さんが頭を下げてくれたので、それよりも深く頭を下げて、俺はその気持ちに応えた。


「じゃ、さっちゃん行こうか」


横浜で過ごしていた間の彼女の着替え等は後で宅配便で送ってもらえる手筈になっていた。
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