侍先生!
午後一番目の種目は玉入れ。


今の所、1組が2組より、10点負けている。三組は50点も負けている。


あともうちょっとで2組に勝てそうなのだ。


玉入れと大玉転がし、頑張らないと!


私はまた闘志を燃やしていた。
玉入れは、私のクラスの勝利。


これで同点になった。


私は大玉転がしの為にパワーをためつつ、クラスの応援をしていた。


「あれ…?」


あそこにいるのって…もしかして?


高校生の体育祭を見に来る親は、小学生の頃に比べたらかなり少なくて。


その中に、女子高生でも、親でも無い、20代の女性がいた。
私は自分の席を立って、その人のもとに走った。


「あの!」


私はそう叫んで、その人の洋服の袖を掴んだ。


「真帆…さん?」


そこに居たのは、先生の彼女…いや、元彼女の真帆さんが居た。


真帆さんは、少し驚いた顔をしていたあと、“見つかっちゃった”と少し困ったように呟いた。


「姫条さん、こんにちは」


「どうして…ここに居るんですか?」


「えっと…いとこがココの学生で」


「それだけが、理由ですか?」


そう言うと、彼女さんは黙ってしまった。
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