心底、不思議。~毒舌カナタとひねくれみーちゃん~
「くち。


ぶどうの汁が、垂れてる」






………なに?



ぶっ、ぶどうっ!?



ぶどう、ですと!?




あたしがこんなにカナタのせいで悩んでるのに、呑気にぶどうだってぇ!?






カナタはあたしを見つめながらぶどうを口に含み、飲み込んだ。







「おいしい?」







カナタがけろりと訊ねてくる。







な、なんつーマイペースな奴………っ!!





あたしが驚きと怒りのあまりフリーズしていると。






カナタの長い指が、すうっと伸びてきた。







…………な、に?






その手が、あたしの口許に近づく。







人差し指が、唇の右側を軽く撫でた。






その後、人差し指と中指があたしの頬を支えて。





親指で、唇の端に触れる。







…………あ、そうか。





ぶどうの汁を、拭ってくれたんだ。






< 499 / 600 >

この作品をシェア

pagetop