心底、不思議。~毒舌カナタとひねくれみーちゃん~
あたしの大好きな、金木犀。







そのオレンジ色の花が、満開に咲き乱れている。






つやつやとした濃い緑色の葉を覆い隠してしまいそうに、たくさんの花がついていた。






咲き誇る花が多すぎて、梢は重そうに枝垂れている。







「きれい………」






「うん。きれいだね」








あたしとカナタは、どちらからともなく、強く手を握りあった。








「………ねぇ、カナタ。



今年の金木犀の話は、もう決まってる?」








あたしは満面のオレンジ色を見つめながら、カナタに訊ねた。







「もちろん、決まってるよ」







カナタの優しい声が、あたしの周りを包む。







「だって僕、毎年、まる一年かけて、金木犀の話を探してるんだから」








……………また、そーゆー殺し文句を、さらりと………。








「………そ。今年はなんなの?」






「聞きたい?」







カナタがゆるやかに目許を綻ばせて、あたしを見下ろす。







「………うん。聞きたい」







金木犀の穏やかな香りが、あたしを素直にした。






< 593 / 600 >

この作品をシェア

pagetop