やさしい手のひら・中編【完結】
「私、本郷呼んで来るね」

由里が私の手を離し、廊下へ出て行った

私はベットから体を起こし自分のお腹に触れてみた

もう赤ちゃんはいない・・・

悲しみと絶望と虚しさ

そして罪悪感・・・

自分がしてしまった過ちに健太はきっと怒っているのかもしれない

私のことを嫌いになってしまうかもしれない

不安で不安で私は仕方がなかった

そして健太はもう私の傍にいてくれないんじゃないか・・・そんな気がしたんだ

「話し長すぎ」

凌と由里が病室に戻ってきた

「具合悪くない?」

凌は椅子に座りながら私に問いかけた

「うん、大丈夫だよ」

「ねぇ、今日は何日なの?」

私の記憶は12月23日で止まったままだった

「今日は12月27日」

クリスマスはもう終わってしまったんだね。私は3日間、何も知らないでいたんだね

あともう少しで今年も終わる。健太はどうしているんだろう・・・

会いたくて、声が聞きたくて、抱き締めてもらいたくて・・・

健太を思うと胸が張り裂けそうなぐらい痛かった

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