やさしい手のひら・中編【完結】
脱衣場の鏡を見て、ため息をついた

新くんの優しさに甘えて泊まらせて、なんて言ってしまった

そして言ったことに今になって後悔している自分がいる

でもあの2人の姿が頭から離れなくて、あの時の佐原樹里の目が私の胸に突き刺さる

私はお風呂に入りシャワーで涙を流した

新くんに借りたTシャツを来てリビングに戻ると

「かなり大きいな」

「ブカブカだよー」

Tシャツの裾を持って見せた

それを見て笑っている新くん

「嫌なことはこれ飲んで忘れろ」

そう言って缶ビールを渡された

久しぶりに飲みたいと思い

「よし、今日は飲むよ!」

「飲むのはいいけど、泣くのはやめてくれよな」

「泣かないもん」

一瞬でも忘れたくって私は新くんと笑いながら楽しく、ビールを飲み続けた

「飲み過ぎだ」

私が飲もうとしたビールを横から取っていった

「返してよ!」

「もう4缶目だぞ」

350mlのビールを3缶飲み、4缶目を開けてもう少しでなくなるという所で取り上げられてしまった

「今日は飲ませて…」

泣かないもんって言ったのに、いとも簡単に破ってしまい私はやっぱり泣いてしまっていた


< 265 / 388 >

この作品をシェア

pagetop