やさしい手のひら・中編【完結】
「ほら、わかったよ。これで終わりな」

そう言って私の手にビールを戻してくれた

「うん」

半分も入っていないビールを私一気に飲んだ

「すげー飲みっぷり」

「おいしい」

「絶対にもう駄目だからな」

「はーい」

気分もいいし、健太のことなんて・・・
そう思っても頭の隅でやっぱり健太を思い出していた

「新くんさ・・・優しくなったよね」

「はあ?俺は最初から優しいから」

「優しくなかったよー、私をいじめてたじゃん」

「いじめてたんじゃなくて、素直になれなくてどう接していいのかわからなかったんだよ。会った時から好きだったから・・・」

「嘘ばっか」

「一目惚れだったんだよ」

新くんは恥ずかしそうに顔を向こうへ向けてしまった

「言わせるな、バカ」

「バカとは何よ」

私が新くんの顔を覗きこむと、顔を真っ赤にしていて

「キャッ・・・ンッ」

腕を掴まれ私は新くんの方へ引き寄せられ、私と新くんは唇を重ねてしまっていた・・・

長い長いキスで、新くんが止めようとしてくれなくって・・

ゆっくり唇が離れて私は新くんの目を見た

私を真っ直ぐ見つめる新くんの目は優しくて、そして真剣で私はその目をそらすことは出来なかった

でもすぐ新くんは私を抱き締めて

「好きだ」

新くんの腕がギュッと強くなる

私は真剣に思ってくれる新くんに腕を伸ばし私も強く抱き締めたんだ

健太のことは今、忘れてしまっていた・・・

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