やさしい手のひら・中編【完結】
静かな部屋で時計の秒針だけが響いている

新くんが私をソッと離し私を見つめる。私の心臓の音がトクントクンと音を立てて、新くんのグレーの目が私を緊張させ、その目に吸い込まれそうになる

私の唇を新くんの親指がなぞる

私は思わず目線を下にした

新くんとキスをしてしまったんだ…

突然のことだったけど、避けて拒めたはず。それなのに私は自ら受け入れたんだ

「悪かった」

「後悔してる?」

「してねぇよ」

そう言って私の頬に触れた

「後悔してるのは亜美じゃないのか?」

「してない・・」

「嘘ばっか」

バチンと私のおでにデコピンをし

「痛ーい」

「悲しい顔すんな。俺も悲しくなる」

私嘘なんてついていないよ。悲しい顔なんてしてないよ・・・

「寝よう」

私の手を掴み、寝室へと向って行く

「泊めて」って言ったのは私

私は唾をゴクンと飲んだ

ベットの前で止まり

「俺はあっちで寝るから」

新くんは私の顔見てくれず、視線を下に向けて私に言った

「えっ・・・・でも」

「一緒に寝たら俺抑えられないから・・・」

そう言って私の前から立ち去ろうとして

「・・・」

私は無意識に新くんのTシャツを掴んでいた
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