やさしい手のひら・中編【完結】
優香のアパートで由里が来るのを待っていた

ピンポーン

ガチャ

「亜美!」

玄関で荷物を放り投げ、私を目がけて由里が走って来た

「亜美…」

この時点で由里はもう泣いていて…

「優香から…優香から…聞いたの…」

私が言う前に健太とのことを優香に聞いていたみたいで…

「祐介も何も言わないし…ヒクッ」

「そっか…健太、祐介くんにも言ってないんだね」

「何も…してあげれなくて…ごめんね」

「由里が謝ることないじゃん」

「だって、知ってたら健太くんを止めること出来たかもしれない…」

「ううん。健太の決意はね、誰にも…止められないよ」

今までのことをすべて知っている由里の前だと気が緩み、鼻の奥が痛くなってくる

「由里。私は大丈夫だから」

「大丈夫な訳ないじゃん!」

ほんとは大丈夫じゃないよ。辛くて苦しくて寂しくて死んじゃいたくなるもん
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