やさしい手のひら・中編【完結】
見た瞬間、本当にもう健太は戻って来ないと確信した

体が凍り付いたように動けないでいる

「熱愛宣言」
「半同棲」
「ベストカップル」

私は恐る恐る手を伸ばした

健太と佐原樹里のことが載っている週刊誌へ・・・

どの週刊誌も表紙が健太と佐原樹里

私は震える手でページを捲った

健太のマンションから手を繋いで出て来る二人の写真

誰から見てもお似合いのカップル

この場で苦しくて泣きそうになる

健太が載っている週刊誌をすべて掻き集め、それを胸に抱いて私はレジへ急いだ

レジの人はこんなに買うの?という顔で私を見ている

私はお金を出し、お釣りをもらうとすぐ財布にしまい、走って外に出た

「嘘だ、嘘だ」

風を切って走っているから涙が後ろに流れていく

すれ違う人のことも気にせず、一刻も早くマンションに着きたかった

「ハアハア・・・」

ミュールを脱ぎ捨て、バックは放り投げ週刊誌の入っている袋を逆さまにした

床に週刊誌が散らばる

たくさんの中の週刊誌を一冊取り眺めていた

表紙が涙でぼやけて見える

何度も涙を拭くのにすく゛また視界がぼやけてしまう

でも自分の目で事実を知りたい

「Blacks健太が自分からお付き合いをさせて頂いていますと交際を認めた・・・」

健太の選んだ答えはここに辿り着いたんだ

こんなの嫌だ

「嘘だよ・・・ね・・・」

どの週刊誌も同じことが書かれていて、健太が自ら交際を認めている

そして・・・

佐原樹里を「幸せにしたい」と・・・

笑顔の佐原樹里を見ると、私といた時とは違う顔で、こんな人と健太が付き合っているなんて・・・信じたくなかった

でも健太が選んだ人。それは間違いない
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