Murder a sponsor.
 現にトラップは仕掛けられていたし、人は死んでいるし、主催者の言っていることは嘘ではないんだろうけど……。

 校外に出ようとしたり、校外の人に連絡をしようとしたら死ぬっていうことは、普通に考えるとやっぱりそこら中に監視カメラなどが仕掛けられていて、主催者からはそれが丸分かりっていうこと……だよな。

 それとも、そういう違反が行われた場合、自動で何かが発動して死に至るっていうことなのか?


「無駄よ」

「え?」


 舞さんがぴしゃりと言い放つ。


「あの放送を聴いても尚、パニックになって連絡をとろうと携帯電話を取り出した子がいたんだけど、圏外だって泣きわめいていたわ」

「圏、外……?」


 ここは確かに山の中だけど、メールや電話をする分には問題ないほどの電波が通っていたはずなのに……。それなのに、圏外?どういうことだ?


「私が考えるに、妨害電波が流されているんじゃないかしら」


 さらりと言いのける舞さんに、熊沢が噛み付いた。


「――ねぇ。あんたがやったわけじゃないわよね?」

「何を言い出すんですか、熊沢さん!」


 突如、舞さんを疑い出す熊沢に新名が反応して怒り出すけど、熊沢はその勢いを抑えることを知らない。


「さっきから見ていて思ったんだけど、なーんか怪しいのよ、あんた。こんな状況なのに、よく落ち着いていられるわね?あんたなんか助けなければよかった……!あのまま男子生徒たちに殺されていればよかったのよ……!」

「おい、熊沢……!」


 さすがに言い過ぎだと止めようとした瞬間、舞さんがそれを制止した。
< 55 / 87 >

この作品をシェア

pagetop