片想い協力者は無愛想ヤンキー!?
昇降口で靴を履き替え、門に向かおうとした瞬間、安達君が外からやってきた。
『…29秒。』
『…よ、よかったぁ~!!』
そう言うと安達君は少し呆れながら言う。
『遅れても呼ぶ気だったけどな。俺、鬼じゃねぇし。』
いやいや、十分鬼ですよ!!
なんて言葉を飲み込む。
『でも…なんで蓮夜さん?』
首を傾げると安達君はビックリした顔をする。
『は?蓮夜連れてきてほしーんだろ?柊に言われたんだけど。』
空…自分から聞くなよ…。
そういうとこは鈍いんだから…。
昇降口を出て並んで歩き出す。
『柊って、蓮夜の事好きなんだな』
『みたいだねー』
自然と繋がれる手。
少しためらって繋がれた手は自然と恋人繋ぎになる。
『あんな奴…どこがいいんだか…』
『でも…蓮夜さんいい人だよ?』
フフッと笑う。
『安達君、学園祭遅刻しちゃだめだよ!!』
今だに遅刻が多い安達君。
ケンカとかは最近は落ち着いてきたけど…遅刻だけは一向に直らない。
『はいはい』
私の頭をポンポンとすると『じゃーな。』と言って来た道を歩き出す。
いつの間にか私の家。