片想い協力者は無愛想ヤンキー!?
ディスプレイに表示されるのは安達君という名前。
少しドキドキして電話に出る。
『…はい』
〈観察なんかしてないで早く来てほしーんですけど。〉
『……………え!?』
慌てて外を見るとケータイを耳に当てている安達君と目が合った。
『っ…!!』
思わず背を向けてしゃがみこむ。
確かにここの教室は門から一番近い。
バレても可笑しくないんだけど…
〈…バレバレなのに今更隠れんなよ〉
電話口からフッと笑う声が聞こえる。
『…すいません。』
〈30秒以内に来ないと蓮夜呼ばねーから〉
『え』
返事をする前に切られた電話。
ディスプレイを恨めしく見ていても無機質な音しか聞こえない。
私は仕方なくケータイをしまって自分のクラスへと急いだ。