Taste of Love【完】
「うわー!雪だらけ」

風香は、車の窓からのぞく雪景色に心踊らされていた。

「当たり前だろう。今からスノボに行くのに雪がなくてどうなるんだよ」

 後ろの席ではしゃぐ風香に、運転中の松林は呆れた様子だ。

「だって……こんなにたくさんの雪見るのはじめてなんだもん」

 親の転勤について転校を繰り返していた風香だったが、雪が降る地域で住んだことが一度もなかった。

「盛岡さんのご実家のペンションって、もう近いんですか?」

 雅実が松林に話かける。

「あぁ、ナビを見るともうすぐなんだけどな」

 年明けの成人の日。

風香たちスイーツ企画室のメンバーは、盛岡の妻の実家であるスキー場近くのペンションを目指していた。

松林の運転する七人乗りのアルファード、運転は松林、助手席には翔太。

そして二列目には、風香と雅実。三列目に佐々木が乗っていた。

「でも意外ですよ。三栖室長がスノボ二回目だなんて」
 
佐々木が後ろの席から話しかけた。

「俺、寒いの苦手なんだよ」

「それだけの理由ですか? 勿体ない」

 隣の席から、松林が話かける。

「やり始めると楽しいんだけどな」

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