Taste of Love【完】
「でも、結城先輩は初めてなんですよね?」

佐々木が後ろの席から身を乗り出してきた。

「うん。なんか縁がなくてね。いつも行く直前にインフルエンザになったりとか、仕事で行けなくなったりとか」

「じゃあ、今日がデビューってことですね。楽しいですよ」

「佐々木君は、何度も行ってるの?」

「あぁ、俺趣味、スノボなんです。ワンシーズンで十回は最低でも行ってますね」

「じゃあ、私初めてだし、教えてくれる?」

 後ろをむいて、佐々木に頼んだ。

「いいですよ。俺スパルタなんで、頑張ってついてきてくださいね」

「先生、よろしくお願いします」

 風香がそうおどけて言ったところで、車が緩やかに停車した。

 車から降りると、そこにはいつもと雰囲気の違う盛岡と、その妻だろうか色の白い優しそうな女性が立っていた。

「お疲れさです。ようこそ」

「お世話になります」

 盛岡の出迎えを受けて、翔太は頭を下げた。

「私の妻で、栞といいます」

「こんな遠くまで、わざわざありがとうございます。大したおもてなしも出来ませんがどうぞみなさん楽しんで
行ってくださいね」

にっこりと笑った笑顔に思わず風香の顔もほころぶ。

「大勢で押しかけてすみません。お世話になります」

「部屋にご案内しますから、こちらへどうぞ」

 風香たちは盛岡の妻に続いて、部屋へと移動したのだった。

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