Taste of Love【完】
昼休憩の時間になり、引き継ぎと異動の準備でバタバタしていたのを一旦蹴りをつけて食事をとることにした。
雅実も今日は外で食べると言うので一緒に会社近くの定食屋にお財布とスマホだけ持って出る。
六月には珍しい、からっとした天気でビルの外にでるととても気持ちがよかった。
「急がないと混んじゃいますよ」
雅実が急かすので風香も早足で追いかける。
今日も満員の定食や『さくら亭』に着くと運よく二人掛けの席が空いたばかりだった。
アルバイトの店員が席を素早く片付けてくれ「どうぞ」と言われて席に着く。
風香は本日のお魚定食、雅実は日替わり定食をそれぞれ頼んで湯のみのお茶をすすっているとあっという間に目の前に注文した商品がおかれた。
「雅実ちゃん、彼には異動の話したの?」
雅実の彼氏は同じ会社の営業部だ。本日付の異動で同じように内示さえなかったのだとしたら多分驚いているだろう。
「まぁ、驚いてはいましたけど企画部の中の企画室に異動になるだけで私の場合特に業務が変わるわけじゃないので報告しただけですね」
そう言いながらコロッケをパクリと食べる。
「私のことよりも、結城先輩ですよ。仕事頑張るのもいいですけどそろそろ前の彼と別れて二年ですよね?もうそろそろ恋のお休みやめてもいいんじゃないですか?」
(その話今しなきゃダメ?)
雅実は風香からしても歳下だとは思えないほどしっかりしている。それゆえ少々不器用な風香が気になってしょうがないらしい。
「別にお休みしてるわけじゃないのよ。ただ……」
「ただ?」
鋭い突っ込みが続く。
「ただ、なんとなくね。今は仕事も充実してるし」
定食のサバを箸でつつきながら答える。
雅実も今日は外で食べると言うので一緒に会社近くの定食屋にお財布とスマホだけ持って出る。
六月には珍しい、からっとした天気でビルの外にでるととても気持ちがよかった。
「急がないと混んじゃいますよ」
雅実が急かすので風香も早足で追いかける。
今日も満員の定食や『さくら亭』に着くと運よく二人掛けの席が空いたばかりだった。
アルバイトの店員が席を素早く片付けてくれ「どうぞ」と言われて席に着く。
風香は本日のお魚定食、雅実は日替わり定食をそれぞれ頼んで湯のみのお茶をすすっているとあっという間に目の前に注文した商品がおかれた。
「雅実ちゃん、彼には異動の話したの?」
雅実の彼氏は同じ会社の営業部だ。本日付の異動で同じように内示さえなかったのだとしたら多分驚いているだろう。
「まぁ、驚いてはいましたけど企画部の中の企画室に異動になるだけで私の場合特に業務が変わるわけじゃないので報告しただけですね」
そう言いながらコロッケをパクリと食べる。
「私のことよりも、結城先輩ですよ。仕事頑張るのもいいですけどそろそろ前の彼と別れて二年ですよね?もうそろそろ恋のお休みやめてもいいんじゃないですか?」
(その話今しなきゃダメ?)
雅実は風香からしても歳下だとは思えないほどしっかりしている。それゆえ少々不器用な風香が気になってしょうがないらしい。
「別にお休みしてるわけじゃないのよ。ただ……」
「ただ?」
鋭い突っ込みが続く。
「ただ、なんとなくね。今は仕事も充実してるし」
定食のサバを箸でつつきながら答える。