Taste of Love【完】
【スイーツ企画室】
段ボールを抱えた風香は思わずそうかかれたコピー用紙が貼られたドアを眺める。
(いくら新しく発足したからって、これはなくない?)
異動してきた人が荷物を運んでいるせいか、そのコピー用紙もすれて汚れていた。
その汚れたところが何だか気になって指でこすってみるが汚れが余計ひどくなっただけだった。
一つ小さな溜息をつき膝で段ボールを支えるとあいた手でドアノブを回しドアをあけて体を入れる。
段ボールをもう一度持ち直して「結城でーす!これからよろしくお願いします」と声をかけて部屋の中に入った。
もともと会議室だったこの部屋にデスクが六個並べられていた。おそらく間仕切りも間に合わなかったのだろう、部屋に入ると一面見渡すことができた。
中にいた人がこちらを見る。
知った顔が雅実以外に一人、同期の松林だ。
「まっつん!まっつんも?」
思わず段ボールを持ったまま駆け寄る。
「おまえーな。まっつん言うな。それと辞令見ただろう。相変わらずとぼけてんな」
眉根を寄せて「しっかりしろよ」という表情を作る。
「ごめん。そういえば私自分の事で精いっぱいで他のメンバー雅実ちゃん以外知らないや」
「お前それでよくここに配属されたな」
松林が眉を寄せてもしょうがないほどの抜けっぷりだ。
風香は一度集中すると驚くほどの仕事をこなすしこだわりも人一倍だが、本来の性格はわりと大雑把だ。本人は自覚していないが周りの評価はのんびりおっとりだ。
「まぁ、いいや。今さらだしサプライズを楽しむことにする!」
ここでも大雑把な性格を発揮して自分の席の整理を始めようとホワイトボードに描いてある席に荷物を置いた。
「まっつん。なんか学生時代の席替えの気分だね」
そう松林に同意を求めた風香だったが「バカなこと言ってないで早く片付けろよ」と一蹴された。
雅実なら同意してくれそうと思う風香だったが、この後のミーティングで使う資料を準備していて忙しそうだからやめておいた。
(私もあらかたの片付けが終わったら手伝いに行こう)
そう思い片付けの手を速めた。
段ボールを抱えた風香は思わずそうかかれたコピー用紙が貼られたドアを眺める。
(いくら新しく発足したからって、これはなくない?)
異動してきた人が荷物を運んでいるせいか、そのコピー用紙もすれて汚れていた。
その汚れたところが何だか気になって指でこすってみるが汚れが余計ひどくなっただけだった。
一つ小さな溜息をつき膝で段ボールを支えるとあいた手でドアノブを回しドアをあけて体を入れる。
段ボールをもう一度持ち直して「結城でーす!これからよろしくお願いします」と声をかけて部屋の中に入った。
もともと会議室だったこの部屋にデスクが六個並べられていた。おそらく間仕切りも間に合わなかったのだろう、部屋に入ると一面見渡すことができた。
中にいた人がこちらを見る。
知った顔が雅実以外に一人、同期の松林だ。
「まっつん!まっつんも?」
思わず段ボールを持ったまま駆け寄る。
「おまえーな。まっつん言うな。それと辞令見ただろう。相変わらずとぼけてんな」
眉根を寄せて「しっかりしろよ」という表情を作る。
「ごめん。そういえば私自分の事で精いっぱいで他のメンバー雅実ちゃん以外知らないや」
「お前それでよくここに配属されたな」
松林が眉を寄せてもしょうがないほどの抜けっぷりだ。
風香は一度集中すると驚くほどの仕事をこなすしこだわりも人一倍だが、本来の性格はわりと大雑把だ。本人は自覚していないが周りの評価はのんびりおっとりだ。
「まぁ、いいや。今さらだしサプライズを楽しむことにする!」
ここでも大雑把な性格を発揮して自分の席の整理を始めようとホワイトボードに描いてある席に荷物を置いた。
「まっつん。なんか学生時代の席替えの気分だね」
そう松林に同意を求めた風香だったが「バカなこと言ってないで早く片付けろよ」と一蹴された。
雅実なら同意してくれそうと思う風香だったが、この後のミーティングで使う資料を準備していて忙しそうだからやめておいた。
(私もあらかたの片付けが終わったら手伝いに行こう)
そう思い片付けの手を速めた。