Taste of Love【完】
「何だよその声」
呼んだ相手が噴き出しながらそう声をかけた。
(声は変わってない)
危うくまた自分の世界に戻りそうになった風香は、ぶんぶんと首を振り「何でしょうか?」と今さらながら取り繕ってみた。
「いいよ、そんなにかしこまらないで。今の話ちゃんと聞いてた?」
そう翔太に聞かれてあいまいに「はぁ」と返す。
その態度で聞いていなかったことはばればれだがそれもすでに露呈していたのだろう、翔太はもう一度クスクスと笑いながら「次からは気をつけるよーに」とだけ言って丸めた資料で風香の頭を“ぽふん”と叩いた。
「で、早速だが企画室が企画を出さないと仕事が始まらない。だから各々明後日までに三つほど自分が形にしたいおおまかな企画をあげて来てくれ」
そうにこやかに宣言した翔太に佐々木が「明後日までですか!?」と返す。
風香も同じ気持ちだったので視線で佐々木を援護した。
「そうだ。それぐらい出来ないと俺たちの未来はない」
今までにこやかにほほ笑んでいた顔が一気に引き締まる。
彼の本気を感じた一同は「ハイ」と大きな返事をして各々の仕事へと戻った。
呼んだ相手が噴き出しながらそう声をかけた。
(声は変わってない)
危うくまた自分の世界に戻りそうになった風香は、ぶんぶんと首を振り「何でしょうか?」と今さらながら取り繕ってみた。
「いいよ、そんなにかしこまらないで。今の話ちゃんと聞いてた?」
そう翔太に聞かれてあいまいに「はぁ」と返す。
その態度で聞いていなかったことはばればれだがそれもすでに露呈していたのだろう、翔太はもう一度クスクスと笑いながら「次からは気をつけるよーに」とだけ言って丸めた資料で風香の頭を“ぽふん”と叩いた。
「で、早速だが企画室が企画を出さないと仕事が始まらない。だから各々明後日までに三つほど自分が形にしたいおおまかな企画をあげて来てくれ」
そうにこやかに宣言した翔太に佐々木が「明後日までですか!?」と返す。
風香も同じ気持ちだったので視線で佐々木を援護した。
「そうだ。それぐらい出来ないと俺たちの未来はない」
今までにこやかにほほ笑んでいた顔が一気に引き締まる。
彼の本気を感じた一同は「ハイ」と大きな返事をして各々の仕事へと戻った。