時の彼方に君がいた
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「ただいま」
家の扉を開けて中に入ると
いつも通りの沈黙が返ってきた。
無造作に靴をぬぎすてる。
そのまま部屋へ行こうとしたが
後で兄に説教されるのも面倒だと思い直し、自分のローファーだけ綺麗に揃えて隅に置いてみた。
姉のサンダルやらパンプスやらは
ぶつくさ言いながらも兄が片付けるだろう。
単調なテンポで足を動かし
階段をのぼり
僕は一番手前にあるドアノブを回した。
部屋の中に入るとすぐに
去年兄に譲ってもらった中古のCDプレーヤーに手を伸ばす。
緩やかに流れ始めたのはピアノの音。
ドビュッシーの『月の光』。
僕はクラシックの曲などまず聴かないのだが、この曲だけは別だった。
勉強用の回転椅子に腰掛けて
静かに目を閉じる。
今日一日の記憶がぼんやりと
僕の脳を巡った。
「ただいま」
家の扉を開けて中に入ると
いつも通りの沈黙が返ってきた。
無造作に靴をぬぎすてる。
そのまま部屋へ行こうとしたが
後で兄に説教されるのも面倒だと思い直し、自分のローファーだけ綺麗に揃えて隅に置いてみた。
姉のサンダルやらパンプスやらは
ぶつくさ言いながらも兄が片付けるだろう。
単調なテンポで足を動かし
階段をのぼり
僕は一番手前にあるドアノブを回した。
部屋の中に入るとすぐに
去年兄に譲ってもらった中古のCDプレーヤーに手を伸ばす。
緩やかに流れ始めたのはピアノの音。
ドビュッシーの『月の光』。
僕はクラシックの曲などまず聴かないのだが、この曲だけは別だった。
勉強用の回転椅子に腰掛けて
静かに目を閉じる。
今日一日の記憶がぼんやりと
僕の脳を巡った。