彼がヤンデレになるまで
「シャワーでも浴びて、着替えた方がいいですよ」
カルツの頭をわしゃわしゃするが、何せ身長差があるため、てっぺんまで上手く拭けない。
大きな子供だと、“猫”はバスローブをカルツに預けた。
やはり裸であることが落ち着かないらしい。今しがた着ようとした、ドレスに着替えようとする。
その間、カルツは受け取ったバスタオルを力強く掴む。
顔にあて、皮膚から感じたんだ。
「あったかい」
目を瞑るほどに、心地が良い。
「何これ、凄いよ」
「そりゃあ、今の今まで着ていたものですから」
「お前は冷たいかと思った」
「生きていれば温かいんですよ」
むず痒くなる会話だと、“猫”はカルツに背を向けていたが、ドレスを着たところで――