box of chocolates
ため息まじりの冬
 ハロウィンの夜、私はふたたび八潮さんに抱かれた。心では『こんな関係はいけない』『他に女性がいるのに許せない』そう思っているのに、体は正直だった。八潮さんの繊細な指先に弄ばれ、我慢できなくなっていった。抱かれている間は、何もかも忘れて彼に身を委ねた。
 
 一度、関係を持ってしまうと、八潮さんが言葉巧みに私を誘うようになってしまった。誘われたら、拒否できない。でも、抱かれたあとはいつも後悔をしていた。次こそは、次こそは。そう思いながら拒否することができずに、クリスマスが近づいてきた。
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