愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】

始業式が終わった直後の教室で、沙紀がいつになく真剣な表情で話し掛けてきた。


「ちょっと、真央!!
アンタさぁ~いい加減、桜井君のことハッキリさせたらどうよ?
見てるこっちがイライラするよ…」

「沙紀…ごめん…
私、このままでいいよ。
想ってるだけで十分なんだから…期待なんてしてないもん」

「はぁ~…」


大きく息を吐き、沙紀は呆れ顔。


でも直ぐに恐い顔して私の前の席に腰を下ろすと、こっちを向いて身を乗り出す。


「ねぇ、今度のバレンタイン…勝負かけようよ!!」

「バ、バレンタイン?」


私の声が裏返り、ありえない様な素っ頓狂な声を出してしまった。


「そっ!!ちゃんと自分の気持ちを桜井君に伝えるの!!」

「ダメだって…そんなこと…」

「ダメじゃない!!
いい?真央がいつまでもウジウジしてる間に、桜井君に彼女が出来たらどーするの?」

「どうするって言われても…」


困惑してる私を尻目に、沙紀は一人で盛り上がりだす。


「やっぱ、チョコは手作りだよね~ハート型がベターかな?
真央の初めての告白だもんね。私も頑張っちゃうよー」


私の為にこんなに一生懸命になってくれてる沙紀の姿を見てると、それ以上イヤとは言えなかった。


でも気が重い…


私、そんなこと望んでないのに…
今のままで十分満足なのに…


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