愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】

バレンタインの前日の夕方、沙紀の家でチョコ作り。


自分の家でチョコなんか作ってたらお母さんに何を言われるか分からない。だから、たまたま沙紀の両親が親戚の結婚式で留守なのをいい事に、彼女の家にお邪魔したんだけど…


「うわっ!!真央!!
もっと静かに流し入れてよー」

「そんな難しいこと言わないで…」


チョコ作りなんて初めての私達は悪戦苦闘。ダイニングテーブルの上はチョコが飛び散りドロドロだ。


でも、なんだか不思議だな。
こうやって沙紀とジャレながらチョコを作っていると、告白するのがイヤじゃなくなってきた。


沙紀もこんなに私の為に頑張ってくれてるんだもんね。
私も覚悟を決めないと…


桜井君の返事に期待してない分、気は楽だ。
でも断られるのを前提でチョコを作っている自分が少々、残念だけど…


あのタオル事件以来、彼とは一言も喋ってない。たとえこの気持ちを伝えてフラれたとしても今までと何も変わらないって事だもんね。




暫くして冷蔵庫のチョコを確認すると、綺麗に固まり初めて作ったとは思えないほど。


「わぁお!!想像以上の出来栄えだねー」


沙紀が嬉しそうにチョコを冷蔵庫から取り出し、私はラッピング用の箱やリボンを用意する。


すると突然、後ろで沙紀が大声を上げ、何かが落ちる鈍い音がした…


ドサッ…



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