愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】
大塚さんに急かされ私は仕方なく携帯を耳に当てる。そして、さも深刻な話しをしているみたいな顔をして足早に店の外に出た。
なんか、ヤダな…めっちゃ、後ろめたい気分。
まだ少し肌寒い夜の風に身震いしながら居酒屋から少し離れた場所で待っていると、大塚さんが店から出て来て私に手を振る。
「…ごめん。時間が無いから単刀直入に言うよ…」
「…はい」
「俺…北沢さんの事、研修で初めて見た時から…気になってた…」
大きな体を丸め恥ずかしそうに頭をかく。
彼の気持ちは嬉しいけど、今の私は、まだ誰とも付き合う気になれない。
「…大塚さん、ごめんなさい…私、今は…」
「あぁぁー…ダメダメ!!断らないでよ。今すぐ返事してくれなくていいんだ。これから俺の事、もっと知ってから答えを聞かせて欲しい…」
「大塚さん…」
「ねっ!いいだろ?」
「はぁ…」
あぁ…優柔不断な私。大塚さんに押し切られてしまった。でも、大塚さんは悪い人じゃないって事は分かる。話してても全然イヤじゃないし、むしろ彼の笑顔に癒される…
それから私達は、同期の女の子達の眼を盗み2人で何度か飲みに行き、休日も会ったりした。徐々に大塚さんという人が分かってきて、好感度は急上昇。
彼は決して無理強いはしない。ゆっくり私の心を開いていってくれる。
彼と居ると、なんだろう…凄く安心するんだ。フッ…っと体の力が抜け素の自分でいられる。今まで出会った男性とは全く違うタイプというのも新鮮だった。
でも、それでも、完全に彼を受け入れる事が出来ないのはなぜだろう…
恋に臆病になってた私は、まだ大塚さんに返事をする事が出来ないでいた。