愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】

忘れかけてたあの恐怖が蘇ってくる…


「俺に見られてる事に気づいた後藤が眼を逸らしたのを確認して、俺は真央の所へ行った。『俺はお前がこの女性を見ていたのを知ってるぞ』そうアイツに分からせる為に。しかし、振り返ると、もうアイツの姿は無かった…」

「あの男…ずっと、私の事見てたの?」

「あぁ、見てた。俺はその事が気になって、次の日も銀行に行った。真央の事が心配で…でも、それ以来、後藤の姿を見る事はなかったから安心していたんだが…まさかあんな事になるなんてな…俺がもっと気に掛けて店長に話しておけば良かったって、後悔してる」

「そんな…龍司が責任を感じる事なんて何もないよ」


必死で首を振る私を切なそうに見つめる龍司。


「惚れた女を守れなかった自分に腹が立っただけだ…」

「…龍司」

「きっかけはあの男だったが、その内、一日に一度、真央の顔を見ないと落ち着かなくなってね。まるでウブな中学生みたいに足しげく銀行に通ったった訳だ。笑えるだろ?」


龍司はフッ…と笑うと恥ずかしそうに下を向く。


「うぅん。嬉しいよ…そんな風に想ってもらえて…凄く嬉しい」


後藤の事は最悪な出来事だったけど、それがあったから龍司と出逢えたんだもの…


身支度を済ませた龍司の頬にソッと手を当て「有難う…」とキスをした。すると、唇が離れるのと同時に玄関のチャイムが鳴る。


「あ…運転手さんのお迎えだね」

「あぁ、行ってくる」


ニッコリ笑い玄関に向かい歩き出した龍司だったが、急に足を止め振り返ると意味深な事を口にした。


「それと、あの後藤が気になったのは、もう一つ理由があるんだよ…でもそれは帰ってから話す」

「えっ?何?」


私が聞き返した時には、既に彼は部屋の外。


なんだろう…もう一つの理由って…


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