愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】

その日の夕方、仕事を終え銀行を出ると龍司から携帯に電話が入る。なぜか『夕食は作らなくていいから食材だけ揃えておいてほしい』と買い物を頼まれた。


かなりの種類と量だ。2人だけなのに、こんなに買ってどうするんだろう…


不思議に思いながらも頼まれた買い物を済ませマンションに帰った私は、取り合えず龍司の晩酌の支度でもしようと食器棚からグラスを取り出す。その時、玄関のチャイムが鳴った。


えっ?もう帰ってきたの?最近は仕事が忙しいみたいで10時を過ぎないと帰って来なかったから、こんなに早い時間に帰って来るのは久しぶりだ。


今日はゆっくり2人で過ごせると思うと嬉しくて、急いで玄関に走り出す。


「おかえりなさーい!!」


玄関の扉を開け龍司に思いっきり抱き付く。


「おいおい…」


なぜかバツが悪そうな顔をしてる。いつもなら、龍司の方から私を抱き締めキスしてくるのに…


「どうしたの…?」


彼の腰に手をまわし甘える様に首を傾げると…


「ん?うん…お客さんを連れてきた…」


チラッと後ろに眼をやった龍司が、照れ隠しみたいな咳払いをする。


「お客様?」

「会社の人間だ。真央に紹介したくてな…」


龍司は振り返り、後ろの人物に声を掛ける。


「入ってくれ…」

「はい…失礼します」


扉の向こうから低い声が聞こえスーツ姿の男性が俯き気味に玄関に入ってきた。


その人物が私の視界に入ったその瞬間…


私の笑顔は消え、全てが…止まった…


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