愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】

「アイツに…似てるだろ?」

「アイツ?」

「後藤に似てるだろ?君に嫌な思いをさせると思って、今まで彼に会わせる事をためらってた…」


―――それは、予想外の展開


龍司は、私と和弥の関係を知ってた訳じゃなかった。和弥が後藤に似てる事を気にしてたんだ…


「彼は桜井和弥。俺が九州の支社に居た時、眼を掛けてたヤツでな。俺がこっちに転勤する事になった時、無理やり引っ張ってきたんだ。優秀な男で、俺のサポートをしてもらってる」


「そう…だったの」


和弥は九州に居たんだ…


「俺と真央が結婚したら、嫌でも顔を会わす事になる。もうそろそろ、いいかと思って…」


結婚という言葉に、私は再び激しく動揺した。


「これが朝言ってたもう一つの理由だよ。後藤を銀行で初めて見た時、一瞬、桜井だと思って驚いたんだ…だから余計、後藤の事が気になったんだと思う。

真央は嫌かもしれないけど、桜井にはなんの関係もない事だ。どうか普通に接してやってくれ。頼む…いいヤツなんだ…」


龍司…違うの…私が動揺したのは、そんな事じゃない。違うの…


「終わりました…」


掃除機を持った和弥がリビングに現れ、その姿にまたドキリとする。


「悪かったな。じゃあ、さっそく頼むよ」


笑顔の龍司に軽く頭を下げた和弥がスーツの上着を脱ぎワイシャツの袖を捲る。


「なんなの?」


いったい、何が始まるの?

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