愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】
不思議がる私に「実は、今日の夕食は桜井が作るんだよ」龍司がそう言って得意げに笑う。
「桜井は料理が上手くてな。九州に居た頃は、よくご馳走になってたんだ。料理人目指していたそうで本当に旨いんだ」
龍司が嬉しそうに私に説明するけど…
…知ってる。和弥が料理人目指してた事は、ずっと前から知ってるよ…
和弥はキッチンに入ると手際よく準備を始め、包丁の軽快な音がリビングまで響いてくる。
「あの…龍司、私、手伝ってくる…」
和弥と話しがしたい…
「邪魔なだけだって。任せておけばいいよ」
少しでいいの…話しがしたい。
「でも、洗い物くらいしなきゃ、悪いよ…」
必死だった。バカみたいに、必死だったんだ…
「ん…そうだな…」
焦る気持ちを抑えゆっくりキッチンに向かう。
和弥の真剣な横顔…頬のあたりがスッキリして見違えるほど素敵な男性になってる。背も高校の時より高くなったね。肩幅だって広くなってる…
「えっと…手伝うね!」
わざと明るく声を掛けると和弥の横に立ち、使い終わったボウルを洗いだす。
でも…何も話してくれない。それどころか、私をチラリとも見てくれない。話したい事は山ほどあるのに…聞きたい事だって一杯ある。
なのに、長い沈黙が続いた…
やっぱり、和弥はもう私の事なんて…