愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】

「あぁ、部長は人としても、男としても最高の人間だ。俺は新川部長を誰よりも尊敬している。そんな人に想われるなんて…お前は幸せ者だよ」


穏やかな和弥の声。でも優しく耳に届くその言葉は、私にとって決別を告げる残酷な言葉だった…


本当は、再会したあの日から分かっていた。過去には戻れないって。分かっていたけど、認めたくなかった…でも、そろそろ受け入れないといけないね。あなたは私の彼の部下で他人だって事を…


いつまでも過去を引きずりウジウジしてるのは私だけ。和弥はとうの昔に私の事なんか忘れていたんだよね。


だから…


「有難う…桜井君…」


もうあなたを"和弥"とは呼ばない。これからは、"桜井君"として付き合っていく。それが、あなたの望みだと分かったから…




龍司より一足早く約束の店に到着した私達は個室で2人、大き過ぎる円卓前の椅子に座り龍司を待っていた。


一つの空の椅子を間に挟み微妙な距離を保つ私達。


紹興酒を口にする私を横目に、運転するからとお酒には手をつけず、ただひたすらタバコを吸っている和弥。


私が和弥を車の中で"桜井君"と呼んでから、彼は一度も私と眼を合わせようとはせず、一言も話し掛けてはこなかった。


これでいいんだ…そうだよね?和弥…

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