愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】

それから数日後―――


2月14日 バレンタインデー


私は龍司の為に有名なパティシエの居る店に注文してあったチョコをダイニングテーブルの上に置き、彼の帰りを待っていた。


ピンポーン…


遅くなるから夕食は外で済ませてくると連絡があったのに、意外と早かったな…なんて思いながら笑顔で玄関の扉を開ける。


「おかえり。りゅ…う…あっ…」


でも、そこに立っていたのは龍司ではなく、大きなバラの花束を抱えた和弥だった。


「どうして…?」

「新川部長は急用で本社に行った」

「本社?東京の?」

「あぁ、ちょっと問題が起こったみたいで」

「…そう」


お互い眼を合わせる事なく会話を続ける。


和弥と会うのは、あの中華料理を食べに行った時以来だ…


「その花は…?」

「あ、あぁ…今日はバレンタインなのに一緒に居られなくて申し訳ないって…部長に花束を届けてくれって頼まれたから買ってきた。俺の趣味だから、気に入らなかったら…ごめん」


そう言って、和弥が淡いピンクのバラの花束を私に差し出す。


「うぅん…嬉しい。すっごく綺麗だよ…有難う」

「間違えるなよ。俺じゃない…部長からだ」


分かってるよ。和弥…でも、あなたが選んでくれた花なんだよね…


「せっかく来てくれたんだから、コーヒーでも飲んでいって…」

「えっ?」


驚いた様に眼を見開く和弥。


こんな事、言っちゃいけないのかもしれない。でも、私には自信があった。和弥を眼の前にしても冷静でいられるという自信が…


それを和弥にも分かってもらいたかったんだ…

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