愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】
向き合う事なく並んで会話を交わす私達。
「あんなウブだった真央がな…」
あ……今、私の事"真央"って呼んだ…でも和弥はそう呼んだ事、気付いてない。
「車の中で部長をタジタジにさせる様な大人の女になったんだもんな…」
和弥が私の方を向き眼を細めた。
心臓がドクンと大きな音をたて、心がザワザワと騒ぎだす。
あんなに自信満々で和弥を引き止めておいて、なんてザマだろう…私はまだ、和弥の事を吹っ切れてない…
「このバラは、俺が知ってる高校時代のウブな真央のイメージで選んじまったから…失敗かも…今の真央なら、真っ赤なバラでも似合うのに…」
「…………」
「…5年も経てば変わるよな。特に女は…」
そう思われる事を望んだはずなのに、胸が張り裂けそうに痛い。
リリリリーン。
その時、和弥の携帯が鳴り出した。
「はい…」携帯を耳に当て私から離れ話し出す。
「あぁ、今、新川部長のマンション。うん…今から行く。30分位かな…」
その話し方で、相手が女性だという事はすぐに分かった。今日はバレンタインデーだもの。デートなんだ…
「悪い。俺、行くよ」
「うん、彼女だよね…デートがあるのに引き止めちゃって、ごめん…」
「ん…いや、じゃあ、帰る」
言葉を濁し、和弥がリビングを出て行く。
凄く虚しい…
彼女って…あの笑顔を向ける相手って…どんな人なんだろう…
私は和弥を部屋に入れた事を後悔していた。
もう大丈夫だと思ってたのに…やっぱり、気になってしまう…