愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】
「じゃあ、俺もそろそろ帰るよ…」
立ち上がろうとする和弥の手を強く握り、私は首を大きく左右に振った。
「まだ…帰らないで…」
「帰るなって…真央も仕事だろ?」
「今日は、休む!!」
「はぁ?バカな事言ってんじゃないよ」
横目でジロリと私を睨んだ和弥がビジネスバックを持ち部屋を出て行こうとする。
「和弥…待って!どうしても帰るって言うなら和弥の家まで…送らせて…」
立ち止まった和弥の背中がイラついているみたいに大きく揺れた。
「ったく!いい加減に…あっ…」
振り返った和弥の顔が曇る。
「…泣くなよ」
「だって…」
昔しから和弥は私が泣くのを嫌がっていた。私が泣くと、自分まで悲しくなるって言っていた…
「分かったよ…だから、もう泣くな」
私は銀行に休むと電話を入れ和弥とマンションを出た。なぜか並んで歩くのが恥ずかしくて彼の一歩後ろを着いて行く。
昔より大きくなった背中に縋り付きたい気分だった。このまま和弥と誰も知らない所に行く事が出来たら、どんなにいいだろう…
入り組んだ路地を進むと一軒の古びたアパートが見えてきた。
「あれだよ。俺のアパート。真央の住んでるマンションとは比べ物にならないだろ?」
足を止めた和弥が寂しそな眼をして笑い、俯きながら再び歩き出す。
「私のじゃないから…龍司のマンションだよ…」
「その内、真央の物になるんだろ?部長と結婚したら…」