愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】
背の高いスラリとした美人。黒く艶やかな髪が印象的だ。
「桜井さん、お疲れ様です。社長と部長が中でお待ちです」
すれ違い際に彼女の名札が眼に留まった。
"三浦"…みうら…?どっかで聞いた名前…どこで聞いたんだっけ…
思い出せないまま和弥が開けた大きな扉の先に足を踏み入れる。
「失礼します。北沢真央さんをお連れしました…」
シックで落ちついた広い部屋には、高級そうなレザーの応接セット。そこに座っていたのは、龍司と初老の紳士。
入口に立ったままの私に、龍司が微笑みながら近づいてくる。
「真央、こっちへ…紹介するよ。社長で伯父の高岡利一だ」
「は…初めまして…北沢真央です」
初老の男性がソファーから立ち上がり「やあ、君が真央さんか!」そう言いながら優しそうな笑顔で私を見つめた。
「龍司から話しは聞いてたが、こんなに若くて可愛い人とはな…龍司が夢中になるのも無理ないな」
豪快な笑い声を上げながら私をソファーに座らせホクホクと頷いている。
すると、入口に立っていた和弥が「…それでは、私は失礼します」と深く頭を下げ部屋を出て行こうとしてる。
あぁ…和弥…
静かに閉まった扉。その瞬間、私は一人取り残されたみたいな気分になり一気に不安になる。心細さで泣きそうだ…