愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】

指が震えて携帯の通話ボタンが上手く押せない…やっとの思いで携帯を耳に当て、恐る恐る待ち焦がれた人の名を呼ぶ。


「か…ずや」

『真央…連絡しなくて…悪かった』

「和弥、聞いて!私、龍司と別れる。今晩ハッキリ言うよ」


和弥も賛成してくれると思った。けど、予想に反して電話の向こうから聞こえてきた声は凄く焦っていたんだ。


『な、何言ってんだ…バカな事言うな!!』


えっ…バカな事?


「どうして…?和弥だって龍司にホントの事言おうとしてたじゃない。覚悟は出来てるって…」

『…あれは…忘れてくれ…だから、部長に別れるなんてそんな事、絶対言うなよ』


和弥こそ、何言ってるの…?


「忘れてくれって…意味が分からない…」

『…真央、やっぱり部長の言った通りだよ。俺は真央を幸せには出来ない。九州へ帰って、それを思い知らされた。だから…真央は…部長と結婚しろ…』

「…今…なんて?龍司と結婚しろって…言ったの?」


訳が分からず、頭中が真っ白になる。


『あぁ…』

「うそ…それって、私達が別れるって事?」

『…そういう事だ…』


やっと聞き取れる様な小さな声だった…


「イヤ!イヤだよ!和弥。約束したよね?ずっと一緒に居ようって…教会で誓ってくれたじゃない!」

『…すまない…とにかく、部長に別れるなんて言うんじゃないぞ。いいな…?』

「そんな約束出来ない!!理由を聞かせて?また龍司に酷い事言われたの?」


必死で叫ぶ私の言葉を無視し、和弥が言った一言は…


『幸せになれよ。真央…』だった…


それが最後の言葉。


和弥が居なくて、私はどうやって幸せになれるの?教えてよ…和弥…

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