愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】
ドアが開いた瞬間、時間が止まったみたいだった…
「真央…」
「和弥…」
それ以上、2人の間に言葉はなかった。どのくらい私達は見つめ合っていたんだろう…でもその眼は、私を好きだと言ってくれていた数日前の和弥のモノとは全く違い。まるで別人の様な生気のない暗い眼をしていた。
「どうした…?」
和弥の低い声と戸惑いの表情が明らかに迷惑そうで私を拒絶してるみたい。覚悟はしてたけど、やっぱり辛い…
「ごめんね…勝手に押しかけてきちゃって…今日は和弥の誕生日だから…これ、渡したくて…」
「俺の誕生日、知ってたのか?」
「うん」
「そうか…今日は部長、実家だったな…」
「だから、今日しかないと思って…」
私は胸に抱えた紙袋とネクタイを和弥に差し出す。
「受け取ってくれるかな?」
和弥は迷っているようだった。でも少し間を置いて「あぁ…」と私の手から紙袋を受け取り遠慮気味に中を覗き込む。
「これは?」
「あ…和弥の好きな物って、それしか思い浮かばなくて…みたらし…団子」
「…みたらし団子?真央が作ったのか?」
「…うん。美味しくないかもしれないけど…良かったら食べて…」
「ありがとな…真央」
和弥が少し笑った。その笑顔があのバレンタインにチョコを渡した時の笑顔と重なり胸が熱くなる。
「和弥…少し話したいの…いい?」