愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】

「龍司に?なにも聞いてないけど…」

「九州からの出張の帰り新幹線で部長は沙紀に会って話しをしてる。俺の彼女だって紹介したんだ…」

「知らない…龍司は何も言ってなかった…」


どうしてなんだろう…なぜ龍司は黙ってたの?


龍司の事も気になるけど、それより私には確かめたい事があった。


「ねぇ、一つだけ聞いてもいい?沙紀と付き合ってたのに、どうして私の事好きだなんて言ったの?」


和弥は驚いた顔で私の顔を凝視する。


「沙紀と付き合い出したのは、この前、九州に帰ってからだ…」

「でも沙紀は長い付き合いだって…バレンタインに会ってたのも沙紀だったんでしょ?」

「長い付き合いか…アイツ、そんな事言ったのか…確かに長い付き合いだよ。でもそれは、あくまでも友達としてだ。

九州で専門学校に通っていた時、偶然、博多の屋台で再会して何度か飲みに行くようになって…美子の事話したら見舞いに来てくれて…

美子のヤツ、沙紀をえらい気に入いってさ…中学もろくに行ってない美子は同年代の沙紀と話す事が何より楽しかったんだろうな…それで俺も沙紀と友達として付き合ってきた。

バレンタインの時は、たまたま沙紀がこっちに遊びに来るって連絡があって、美子の様子を聞きたかったから駅まで迎えに行って一緒に飯食った。それだけだ…」

「そうだったの…」

「美子の調子が悪くなって移植の話しが出た時、美子は絶対手術はしたくないって言い張って、俺やお袋が手を焼いていたら沙紀が説得してくれたんだ。その事はホントに沙紀に感謝してる」


気のせいだろうか…和弥の声が小さくなっていく…


「でも、手術する代わりに頼みがあるって美子に言われて…」

「頼み?」


和弥のため息と共に持っていたタバコが根元まで燃え尽き灰がポトリと地面に落ちた…


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