愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】

沙紀は、そこまで和弥を想っていたんだ…


「なんとか美子ちゃんお陰で和弥君と付き合える様になったけど、私は毎日、不安で仕方なかった」

「どうして?和弥は沙紀を選んだんだよ?」


そう…理由はどうであれ、和弥は私じゃなく沙紀を選んだんだ…


けど、沙紀は俯いたまま首を小さく振る。


「何も…なかったんだよ」

「えっ?」

「私と和弥君の間には…何もなかったもん」

「沙紀…それって…」

「そうだよ。和弥君は、まだ一度も私を抱いてない…うぅん。抱いてくれなかった…付き合って同棲してるっていうのは形だけ。未だにキスすらしてない…。それだけじゃないよ…和弥君は、私が"和弥"って呼び捨てにするのも許さなかった」

「うそ…」


そんな事って…あるの?和弥は沙紀と結婚まで考えたはず。なのに…


「だから私、焦って…また真央と和弥君がよりを戻すんじゃないかって怖かった。そんな時、麗子から電話があって、懐かしくてすぐ会いに行ったんだ…

そこで麗子に言われたの。もうそろそろいいだろうって、真央に和弥を返してあげようって。想い合ってる2人の仲を裂いても、気持ちまで裂く事は出来ないって…

そんな事しても、私は幸せにはなれないよって…そして、沙紀も辛かったんだね…そう麗子に言われた瞬間、何か張り詰めていた糸が切れたみたいに体の力が抜けて、私、何してるんだろう…なんてバカな事してるんだろうって思ったんだよ」

「沙紀…」

「今でも和弥君は真央の事が好き。多分その気持ちは、ずっと変わらない…。真央を想い続ける和弥君の隣に居ても、私は一生、幸せになれないって分かったから…」


今、私の前で話している沙紀は、まるで高校時代の親友だった頃の沙紀のようだった。


いつもオドオドしてた私を励まし、引っ張ってくれてた沙紀だ…

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