愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】

「俊が…泣いてたの?」


あの、俊が泣いてた…?


「あぁ、確かに泣いてたな…その涙を見た時、分かったんだ。今まで、桜井が俺と真央の間に割り込んできたと思っていたが、それは間違いだったって…邪魔者は俺だったんだよな…」

「そんな…龍司は邪魔者なんかじゃないよ!!」

「…もう、いいんだよ…真央」


そう言った龍司の声が切なげで、改めて自分のしてきた事の罪の深さを感じた。


「真央はアイツと付き合っていたそうだな。別れ際に、とんでもない事を言って帰って行ったよ」

「とんでもないことって?」


何となく想像がつくだけに、怖い…


「『真央を女にしたのは俺だ!アンタがいい思いしたのも俺のお陰なんだよ!だから、もういいだろ?これからは和弥に抱かせてやってくれ』…そう言ってた…」

「あぁぁ…」


俊ったら、龍司にそんな事言うなんて…


「龍司、俊の事…ごめんなさい。彼はあんな人だけども悪い人間じゃないの…」

「分かってるよ」

「えっ?」

「アイツもアイツなりに真央や桜井を心配してたんだろう。だから俺に下げたくもない頭下げたんだよ。ある意味、男らしい奴だよ」


バックミラーに映った龍司の眼が笑ってる…


あなたの心の広さに私は何度救われたが知れない。本当に、有難う…龍司


「あ…それと…私、龍司にお願いが…」

「んっ?」

「こんな時に、なんなんだけど…結納金、女の方から破談にしたら倍返しなんだよね?私、4千万なんてすぐ払えないから…だから…その…月々の分割にしてもらえると助かるんだけど…ダメかな?」


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