愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】
一気に眼が覚め慌てて起き上がった私に森本君は「真央の寝顔、可愛かったから待ち受けにしようと思ってさ!!」とすました顔で平然と言う。
「ヤダ!!やめてよ。まさか…変なの撮らなかったよね…?」
「変なのってなんだよ?心配すんな、顔だけだって!!そんな事より、俺セフレの女全部切った。これでいいだろ…?」
「森本君…」
あなたの気持ちは嬉しい。でも今、あなたと付き合ったら和弥の事が過去になっちゃう…別れたって、認めなきゃいけなくなるんだよね?
困惑した表情で俯く私に、森本君は探る様に聞いてくる。
「和弥の事…考えてたのか?」
「ごめん。やっぱり私、まだ和弥が…」
そんな私の言葉を遮る様に森本君の大きな体が覆い被さり唇を塞ぐ。そして、長いキスの後、彼は淡々とした口調で話しだした。
「真央…お前には黙ってるつもりだったけど、ホントの事言うよ。…和弥には、もう彼女が…居る」
えっ…
胸をえぐられる様な強い痛みが走る。
「そんな…嘘でしょ…?」
「嘘なんかじゃねーよ!!アイツはもう、真央の事なんて忘れちまってるよ」
イヤだ…。 イヤだ…イヤだ。
「森本君、お願い…和弥と話しさせて?連絡があったんなら携帯に着信残ってるでしょ?」
取り乱す私を冷めた眼で見つめていた森本君が、手に持っていた携帯を私の前に放り投げた。
「無理だな…公衆電話からだった。嘘だと思うなら、自分で確かめてみろよ」
私は森本君の携帯を手に取ると、夢中で着信履歴をスクロールする。
違う…これも…次も…それらしい番号は、無い。
その時…
「あ…っ!!」