同期が急に変わったら…。〜将生side〜



安心したのと、

今日は、

急な仕事も入ってないのとで

気分的にも余裕ができた。






デスクに落ち着き、

一番若手の池田を呼んだ。





『JM、どうだったんだ?』

『はい。…それが門前払いでした。』

『…そうか。
まあ、初めはそんなもんだ。
また、行けばいいから。』

『はい。また行ってみます。』

『ああ、諦めるな。イケるから。』

『課長、なんか今日……。』






なんだ?





『今日、なんだ?』

『えっ?あー、いや…。』

『なんだ?言ってみろ。』

『いや、あの。なんか優しいっすね。』

『そうか?いつもだろ?』

『えっ?あー、まー。』

『ハハハっ。お前、嘘つけないのか?』

『……まあ、そーなんです。』

『ハハッ。そうだったか。』






俺がオフィスで声を出して笑うのが

よほど珍しいらしく、

いずみがパッと顔を上げたのが

視野に入った。






なんだよ?






俺も、思わずいずみに視線を移すと

バチバチっと目が合った。






一瞬、ドキっと心臓が跳ねて

目が逸らせなかった。

と言うか、……見ていたかった。






とは言え、

池田と話し中だ。

また、池田に視線を戻して





『来週あたり、また行ってみろ。
どんどん行けばいいから。』

『わかりました。そうします。』






多分、機嫌がいいんだな、俺は。

部下に今日は優しい、とか言われて、

それもまた、嫌でもない。







仕事しよう……。







またパソコンを見ながら

キーボードを叩く。






もう昼休みだが、

もう少しやるか。







カタカタカタカタ。







『課長、ちょっといいですか?』






顔を上げると

いずみが俺のデスクの前にいた。






『ああ。どうした?』







いずみは、正面から移動して、

俺の横に立って書類を出してくる。






……珍しいな。





なんだ?

この書類がどうしたんだ?

何か分からないのか?






少し身を屈んだいずみが、

小さ〜い声で……。









『将生、愛してる。』









……俺の耳元で囁いた。






!!!







『っ!お前っ。』







いずみっ!

なっ、何言ってんだ?

今……。






愛してる、

って言ったよな?

マジか?






『それだけです。』






そう言って、

スタスタと自分のデスクに

戻って行った。







……バカっ。


動揺させんな。





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