同期が急に変わったら…。〜将生side〜
カウンターに並んで座り、
ラーメンを注文し、待ち時間。
小泉は、
なにやらニコニコと笑っている。
そう言えば、この前から
飲みに行きたいって言ってたな。
何か話でもあるのか?
『で、なんだ?』
『いえ。
課長、突然なんすけど。』
『だから、なんだ?』
『はい。
実は、俺、結婚するんです。』
『ほんとか?良かったな。
おめでとう。』
『あー、ありがとうございます。』
こいつ、それを言いたかったのか。
小泉は、嬉しさ反面、
何か言いにくそうにしている。
なんだ?
『相手は、会社の人か?』
小泉は、お冷をゴクリと飲んだ。
『いえ、取引先の……。』
『取引先か。どこか聞いてもいいか?』
『はい。坂井の受付の……。』
『坂井の受付か…。もしかして、』
『…はい。春菜です。』
『…だよな。』
『あの。課長的に気まずいっすよね?』
『いや。俺は別に。お前が、だろ?』
『いや、俺も特には。
課長がどうかと、気になって。』
『俺か?いや、全く。』
『そうっすか。じゃあ良かったです。』
小泉が結婚する相手は
まさかの俺の元カノだった。
正直、驚いた。
全く気にもならないが。
確か、営業に異動になってからだから、
3年前くらいか?付き合ってたのは。
数ヶ月だけだが。
殆ど会えなくて、別れたんだったか?
よく覚えてねーけど、
みんな、そんな理由だったしな。
『味噌ラーメンです。』
ラーメンが運ばれて来て、
小泉は食べながら話を続けた。
『俺、2年くらい付き合ってるんすよ。
最近プロポーズして、OK貰って。
まだ何も決めてないんすけど。』
『そうか。じゃあ、これからだな。』
『はい。だから、まだ皆には。
式とか決まったら、
ドーンと発表しますよ。』
『ああ。分かったよ、黙ってるよ。』
『すみません。』
そう言いながらも、
小泉は嬉しそうに笑って、
いや、
ニヤついている。
この表現が相応しいな。
『で、課長はどーなんすか?』
『ん?』
俺に振るなよ。
小泉のめでたい話に油断して
そんな質問をされると思ってなかった。
……答えを考えてなかった。
俺は黙ってラーメンをズズッとすする。
『課長?』
『ああ、俺か。
俺はまあ、どうかな。』
『誤魔化さないで下さいよ。
っつーか、
課長、好きな人、いるんすか?』
『んー?いや。どうだろうな。』
『へー、いるんすね。』
『いる、なんて言ってないだろ?』
『課長。教えて下さいよ。』
『ハハハっ。想像に任せるよ。』
小泉。
これ以上突っ込むなよ。
やめろ。
やめてくれ。
こんな事、マジで聞かれるとはな。
『想像っすか。
俺の想像なら……、桐谷さんとか?』
『ブッッ。ゴホっ、ゴホっ。』
いきなりかよっ。
当たりすぎて、
ラーメンを噴き出しそうだった。
ヤバいな。
『大丈夫っすか?
課長…。当たりっすか?』
『あー、いや。どうかな?』
マジか。
勘弁してくれ。