お前は独りなんかじゃない。
優斗 Sida *
ーーーカチッ。
電気を消した俺はすぐ床に敷いた薄い
布団の上に寝た。
少し眠りそうになったときだった...
『うぐぅ...うぁ...ん』
ん?優希が泣いてる?
まさかな?泣いてるわけねぇじゃん。
「......優希?」
俺は立ち上がってベットに腰をかけた。
なんで泣いてんだこいつ。
意味わかんねぇよ。まじで。なんでだ?
「どうしたんだよ?」
『うぅ...ごめん...起こしちゃ...った。』
声もかわって息つぎもろくにできない
くらいまで泣いている。
「どうした?」
『優斗...と....』
ん?俺と?俺が関係してんのか?
「俺がなに?」
『優斗と...一緒に眠れないの...?』
「は?」
優斗と一緒に眠れないの?って。
なんだよこいつ。可愛すぎるだろ。
俺と隣で寝れねぇから泣いてんのか?
すると俺の服の裾をギュッと
優希の小さな手が握っていた。
『また独りになっちゃ...う。怖い...』
「なんだよ、独りって?」
『私...初めて人に助けてもらった...』
また独りになっちゃう?怖い?
初めて人に助けてもらった?
意味深な言葉を連発する優希。
『だから...』
「だから?」
『助けてくれてありがと...嬉しかった』
「そっか。てかお前はなにが怖いの?」
優希はまた目に溢れそうなくらいの
涙をためながら小さな声で呟く。
『全部...生きてることも...全部だよ』
なんだ?生きてることが怖い?
でも俺はこれ以上聞くと優希が壊れて
消えてしまいそうだったから...
だから今は聞かないでおこうと思った。
「そっか...じゃあ一緒に寝るか?」
『い...いいの?』
「うん」
『嫌じゃない...?』
俺を見つめる優希。
嫌なわけがない。俺だって隣で寝たい。
でも出逢って数時間....
こんなふうになっていいのか??
『嫌だったら...い、いいよ...』
寂しいそうに目をそらす。
俺は思わず抱きしめた。優希の顔は
見えないけど驚いてるのは分かった。
「嫌なわけなないだろ...」
すると優希は笑顔になった。
『ありがとう』
ん?こいつ...体が熱い。
まさかな?と俺は恐る恐る優希のおでこ
を触ってみた。
やっぱりな。すごい熱だった。