お前は独りなんかじゃない。
優斗 Sida *
俺たちは皿を洗い終わり部屋に行った。
でも誰もいない。
「は?あいつらどこいったんだよ」
『あんなにたくさんいたのに!』
「電話してみるか...」
俺はポケットから携帯を取り
陸に電話をかけた。
プルルルルル
プルルルルル
プルルルルル
プルルルルル
プルルル...“もしもし?”
「お前らどこ行ってんだよ?」
“ああ、いまゲーセン”
「なんでそこいんの?」
“お前が優希ちゃんとやら連れてきて
よろしくしてるから空気読んだんだよ”
「んだよ、もう戻ってこないのか?」
“まぁ。邪魔しちゃ悪いしな。”
「お前もたまには気が利くじゃん。」
“何年お前と一緒にいると思ってんだ。”
「ああ。そうだな」
“じゃあ邪魔はやめるわ。じゃーな”
「じゃーな」
ツーツーツーツー
陸は幼稚園からの幼馴染で
悪いことをするのも怒られるのも
ずっと一緒にしてきた。
俺のいちばん信頼できるやつだ。
俺が優希を気にしていることに
気づいて帰ってくれていた。
『ねぇ。優斗。』
「ん?」
『友達みんな帰ったの?』
首を上にあげ上目遣いで俺をみる。
お風呂あがりだからかいい匂いがした。
「ああ。ゲーセンに行きたかったって」
少し嘘をついた。
俺の為になんていえるわけがない。
『じゃあさ...』
「ん?」
『今日泊まってもいいかな?』
目をうるうるさせながら俺をみつめる。
そんな顔をされたら嫌でも嫌とは絶対に言えない。
ーーー俺、もうこいつに惚れてる