【完】天使の花〜永遠に咲き誇る愛を〜
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暖かい日差しが差し込み

桜が咲き誇る4月。

約束通り、俺はA社の営業課長から

Sコーポレーションに引き抜かれ

営業部営業部長に就任した。

A社と違い、Sコーポの営業部は

営業1〜5課まである大所帯。

しかも、俺はSコーポの中でも

最年少の部長就任と聞かされた。

引き継ぎの時から

若干の重圧は感じていたが

新たな扉を開けて行く事に

ワクワクする気持ちもある。

引き抜きを受け入れた以上は

期待を背負い、精いっぱいやりたい。

新たな一歩へと気持ちを引き締めた。


「…氷室課長…じゃなかった!!
失礼しました!!…氷室部長。
就任おめでとうございます。」

社内で野村羽美花が

俺に祝福の言葉をくれた。

「…ありがとう。
また…メンテナンスで世話になるよ。
……よろしくな。」

俺は握手を求めて右手を差し出すと

「…はっ、はい!!
よろしくお願いします!!」

彼女も右手を出して

俺の手に重ねてくれた。

“キュッ”と握った彼女の

柔らかくて華奢な手。

笠置はこの手にいつも触れているのか。

「…あっ、ごめん。
笠置に叱られるな…許してくれ。」

俺は咄嗟に手を離すと

「…あっ、いえ。
気にしないで下さい!」

と、彼女は優しく微笑んでくれた。



…やっぱり美しいな。

野村羽美花…。

社食で山谷と下里に話していたな。

…名前の由来が『天使の花』だと。

彼女の両親は素敵な名前をつけたな。

彼女はその名前を裏切らず

名前負けもしていない。

天使のように

柔らかく優しい雰囲気で

花が咲いたように

可愛く、美しくなっていく。





































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