【完】天使の花〜永遠に咲き誇る愛を〜
*****

『二度と軽率な行為はしない。』

笠置が野村羽美花に謝罪したと

彼女本人に確認して安堵していたのに。

…絶対かかってこないだろう。

でも、また笠置の事で何かあれば

力になって助けてやりたい。

そう思いながら

『笠置にも相談出来ない悩みがあれば
いつでも連絡してくれ。』

と、連絡先を記載した名刺を渡し

案の定かかってこない事を

上手くいっているんだと

複雑ながらも受けとめつつ

『笠置…彼女を泣かせるな。』

そう願っていたのに。


メンテナンスの時や

廊下ですれ違う時の彼女は

いつもと変わりない態度ながらも

時々悲しそうな瞳をして

表情もややかたくて、寂し気だった。

そして、そんな彼女に

追い討ちをかけるかのように

再び広まった、笠置と豊島の密会の噂。

自然と耳に入る話を聞くと

この噂については

目撃者がいるとの話があったらしいが

噂の2人は勿論事実関係を否定し

経理部課長もその否定を信じて

無理やり揉み消しの方向へと

持って行ったらしいと聞いた。

人事課の正田も

『…絶対笠置はクロなのに
証拠がないと人事としても
踏み込めない。
…俺は、氷室部長と野村さんが
くっついて欲しいんですよ!!』

と、顔を合わす度に行ってきた。

俺は何とも言えなかった。

…なぜなら、俺は彼女に

『笠置を信じてやれ。』

そういつも言っているのだから…。

信じてやる事も彼女の役目だから。

でも、時々俺は

「…これ以上噂が広まると
会社もお前達を守りきれなくなる。
主任職に就いているのだから
責任を持って信頼を挽回しろ。
野村さんを悲しませるなよ。」

と、笠置にはそれとなく伝えた。

笠置は心なしか

苛々したような様子だったが

「…お騒がせしてすいません。
大事にしてますから…。」

と、円満を強調していた。



しかし、その年の12月。

事態は思わぬ方向へと向かっていった。


























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