【完】天使の花〜永遠に咲き誇る愛を〜


「…少し我慢しろよ。」

俺は彼女の足をそっと掴んで

両足の患部をそっと消毒した。

「………っ。」

彼女は少し痛がった。

本当は痛かったんだな。

それよりもショックが大き過ぎて

靴擦れの痛みを忘れるくらい

心のダメージの方が

相当彼女には痛かったに違いない。

優しく消毒しながらも

心の中に沸き上がる怒り。

……なぜだ…なぜなんだ。

彼女の美しい足を

こんな痣っぽくなるくらい

痛めつけただけでなく

傷つけてダメージを与えたアイツ達。

怒りが俺の全身に回って行く…。

……許さない、アイツ達。

許さない…絶対に。

俺に話してくれた彼女の心の中は

暗闇に突き落とされて光を遮られ

笠置との未来を夢見ていた

幸せな温かい時間を

笠置本人と笠置目当てに近づいた 

豊島によって踏みにじられた。

『天使の花』が大きな悲しみにくれ

絶望を感じ、暗くて寒い世界の中で

悲鳴をあげているじゃないか。

笠置…俺に言ったよな?

『羽美花は俺の“姫”』だと…。

学生だった彼女を助けた俺に嫉妬して

友人の妹だった

彼女に手を出したんだろ?

彼女の兄貴に頭を下げてまで…。

…なのに、何てザマだ。

ひょっこり現れた高校時代の元彼女に

そんなに簡単に乗りかえられるのか?

彼女への『愛してる』は

そんなに安っぽい言葉だったのか?

彼女はそんな『愛してる』に

身を委ねて、心を奪われて

幸せを感じていたのか?

ずっと騙されていたのか?

裏で何も知らずに

豊島を抱いていた体で

彼女はアイツに抱かれていたのか?

お前の『姫』じゃなかったのか?

溺愛していたんじゃなかったのか?

彼女はお前を愛していたんだぞ。

なのになぜ

お前を愛している彼女を

平気で傷つけるんだ?


彼女には傷ついて欲しくなかったのに。



裏切られて傷つくのは

…あの時の俺だけで良かったのに。
























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